新年を迎え、あっという間に
2週間が過ぎてしまいましたが、
2014年最初のブログです。
普段何気なく通りすぎてしまう
風景も、初日の出や書初めという
ように「初」というフィルターを
かけてみると、目に見えるものすべてが
新鮮に映り、気持ちが引き締まるようです。
そんな中、除夜の鐘、初詣、成人式など、人ごみに紛れて
落とし物をしてしまい、せっかくの決意が挫けそうになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなわけで、今回は落とし物についてのお話です。
以前、iPodを拾って警察に届けたところ、1年経っても持ち主が現れなかったので引き取りに行ったことがあります。
当時はiPhoneも発売されておらず、私自身も「これがうわさの
アイポッドか」と的外れな表記を思い浮かべるほどで、iPodが
単なる携帯型デジタル音楽プレイヤーではなく、インターネット上で個人情報を登録できる精密機器であるということを知りません
でした。
10年も前のことですが、もし今同じようにiPodを拾ったと
したら、やっぱり警察に届けます。
警察に届けても持ち主の下に戻るかどうかはわかりませんが、
見知らぬ他人同士、iPodの中身を見る、見られることを考えると、第三者である警察に届けた方が、お互いに気まずい思いをせずに済みそうだからです。
反対に、iphoneを落としてしまったら、予め設定さえしておけば、「iPhoneを探す」というアプリケーションで探すことが
できるそうです。
せっかくなので、落とし物について少しおさらいしてみました。
ある動産を拾ったり掘り出したりした時は遺失物法の適用を受けるため、警察に提出して最長6か月以内に持ち主が現れなければ、
所有権を取得することができます。
持ち主が現れた場合であっても、遺失物の価格の5%~20%の
額の報労金を持ち主に請求することができます。
ただし、麻薬やけん銃などの禁制品、または運転免許証や携帯電話などの個人情報が記載されている物については、所有権を取得することができません。
前述のiPodも現在は引き取ることはできないでしょう。
反対に、ある動産を拾ったり掘り出したりした時にそのまま自分のものにしてしまうと遺失物等横領罪が成立し、1年以下の懲役
または10万円以下の罰金若しくは過料に処せられます
(刑法第254条)。
他方で、遺失物とは知らず、ある動産をもらった時は民法の適用を受けるため、遺失時から2年間は持ち主に返さなければなりません(民法第193条、第192条)。
もっとも、ある動産を買った場合は対価を支払ってもらわない限り
持ち主に返す必要はありません(民法第194条、第192条)。
おまけとして、漂流物・沈没品については警察署長ではなく
市区町村長に提出すること(水難救護法第24条)、
宝くじについては警察署長が保管中に換金した場合であっても
所有権を取得することができること(当せん金付証票法第11条の2)という特別法があります。
新年早々落とし物をしてしまったおっちょこちょいの人も、
このブログを読んで気持ちを慰めていただけたらと思います。
元気を出して、本年もよろしくお願い申し上げます。
【落とし物検索サイト】
警察が公開している遺失物ポータルサイト。
Twitterを活用した落とし物発見・回収サービス。
落とし物がひとりでに動き回ったり、自らすすんで拾い主の下に
居ついてしまったりするのが普通の落とし物とは違うところです。
【参照】
平成24年中、30億円近くの現金の拾得届が受理されています。
残念なことに80億円超の現金の遺失届も受理されており、
50億円くらいの現金が持ち主の下に戻っていません。
海外の落とし物事情です。