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私は穴になりたい

マーケティングの世界で古くから使われている格言に

「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である」

というものがあります。

 

これは、言い換えると

「お客様が欲しいのは商品そのものではなく、問題の解決である」

という意味で、

経営者は顧客の抱える問題を正しく理解し、最適な解決策の

提供を心がけるべきであるという、自営業者にとって

身が引き締まる言葉です。

ドリルと穴その1
ドリルと穴その1

もちろん、顧客の抱える問題と言っても千差万別で、

ハッキリした悩みもあれば、モヤモヤした悩みもあります。

 

特に司法書士のような①相談②依頼③解決という3ステップを

踏む職業の場合は、お客様の本当の悩みをモヤモヤした意識下

から引き上げる役目を負っています。

 

例えば、「隣人と争って白黒つけたい」という相談を受けた

とします。

ここで、「争って」「白黒つけたい」というキーワードから

「内容証明郵便」「裁判」「強制執行」という答えにパッと

飛び付くのではなく、「先々のことも考えて円満解決を望んで

いるがやり方がわからない」という依頼者の本当の悩みを

引き上げて「仲裁」「調停」「和解」という答えを差し出す、

といった具合です。

ドリルと穴その2
ドリルと穴その2

念のため補足すると、お客様側で「何月何日に不動産取引が

あるので決済に立ち会ってほしい」というように依頼内容が

既に固まっている場合、依頼者の本当の悩みというのは決済の

立会いそのものなので、

わざわざ「本当はどうされたいのですか?」ということを

聞く必要はありません。

 

当事務所も開業して4か月が経とうとしていますが、

ともすればドリルに傾きがちな自分に気づきます。

無料法律相談会で、初めて会った相談者の方とお話ししていると、単純そうに見えて複雑だったり、複雑そうに見えて単純だったり、こちらの用意した答えがぴったりその方の「穴」にはまっているかどうかがいつも悩みどころです。

 

最後にお知らせです。

今月いっぱいは「司法書士月間」として、ユーキくんの背景でしたが、来月からは通常の三つ葉のクローバーの背景に戻ります。

ユーキくん、また来年もよろしくね。

 

【参照】

インターネットコム

コラム:ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である