今日は銀行の作り方についてお話しします。
銀行口座の作り方ではなく、銀行の作り方です。
不動産会社を併設している司法書士事務所は時々見かける
のですが、銀行を併設している司法書士事務所はまだお目に
かかったことがないので、少し調べてみました。
以下、①主体②設立方法③準備期間④手数料の順に紹介します。
■銀行
①資本金の額10億円以上の株式会社
②設立登記+営業の免許を金融庁に申請
(銀行法第4条第1項)
③1か月
④手数料15万円
■信用金庫
①資本金の額1億円以上の法人
②設立登記+事業の免許を所管の財務局に申請
(信用金庫法第4条)
③2か月
④手数料15万円
■無尽
①資本金の額5,000万円以上の株式会社
②設立登記+営業の免許を金融庁に申請
(無尽業法第3条第1項)
③1か月
④手数料なし
■貸金業事業者(ノンバンク)
①貸金業を営もうとする者
②営業の免許を各地方財務局
または各都道府県庁貸金業担当課に申請
(貸金業法第3条第1項)
③2か月
④手数料15万円
■エコマネー運営団体
①個人、NPO法人
②設立登記+設立の認証を所轄庁に申請
(特定非営利活動促進法第10条第1項)
③4か月
④手数料なし
(※イ.地域限定、ロ.非匿名、ハ.無利子、ニ.信頼
の4原則を守る地域通貨運営団体。)
■マイクロファイナンス機関
①銀行、NGO法人
②設立登記+営業の免許を金融庁に申請
(銀行法第4条第1項)(銀行)
設立登記
+国連経済社会理事会協議資格取得を国連経済社会局に申請
(国連憲章第71条)(NGO法人)
③1か月(銀行)
7か月以上(NGO法人)
④手数料15万円(銀行)
(※貧困緩和と事業収益の両方を追求する金融サービス機関)
■オフショア銀行
①個人
②銀行ライセンス取得+オンラインバンクリース契約を締結する
③3か月以上2年以内
④ライセンス発行国により異なる
(※ライセンス発行国以外の国の人間に対して金融サービスを
提供する金融機関)
他にも、日賦貸金業や電話担保金融(いずれも現在は廃止)、
質屋など思いつく限りで様々な金融業が挙げられますが、
もとより司法書士が兼業できるものではないというのが、
大方の見方でしょう。
なぜなら、債務整理を業務として扱うべき司法書士が、
自ら債務整理の原因となりうる金融業界に乗り出しては、
いくら法律上兼業禁止規定がないとは言っても、倫理上
問題があるからです(司法書士倫理第12条)。
因みに、金融業を営む株式会社の設立登記を司法書士が行う
こと自体が多重債務を助長することになるのだろうか?
依頼に応ずる義務(司法書士法第21条)との関係は?
と倫理を巡る疑問は尽きません。
また、本来の目的であったはずの、不動産を担保に融資を行い、
その決済に関する登記を一手に引き受けるという不動産登記を
中心とする融資方法は、低額、無担保、長期貸付を長所とする
小規模な金融機関においては、とることができないからです。
むしろ、銀行を設立できるくらいの資金が潤沢にあれば、
司法書士業は幸か不幸か付随的なものになってしまいそうです。
【参照】
◆電子政府の総合窓口 イーガブ
◆司法書士倫理
http://www.shiho-shoshi.or.jp/about_shiho_shoshi/ethic/ethic01.html
◆信用金庫事業免許申請代行_行政書士緒方法務事務所
http://www.ogata-houmu.com/shinyokinkojigyomenkyo.html
◆第二種金融商品取引業登録申請代行_日本中央行政書士事務所日本中央税理士法人
http://www.2kinsho.com/